2021年05月26日
ミーのカー その9
ドキドキしていた。
ジムニーマニュアル車を運転するために千葉へ行った。
6時間からレンタルできるということで6時間のレンタルにした。
そのレンタカー屋さんにあるマニュアル車のほとんどはスポーツカーで、ふつうはその車に乗って筑波山とか海のほうへ出かけるらしいのだが、30年ぶりにマニュアル車を、それも30年前だって1時間しか運転したことがないマニュアル車を運転してどこかへ出かけるなんて考えただけでドキドキするので、結局それに乗って家に帰ってくることにした。
若いころはドキドキしたってそれは恋かもしれないと思うけど、今ではドキドキもただの動悸なわけで更年期障害かと思うだけだ。
それでも年に1回くらいは新しい挑戦をするのもいいだろう。歳を取ったってそんな新しい試みも必要だ。
そういえば静岡から名古屋まで散歩したのも3月だったなぁ、あれやってるときはそうでもないのに、なんですごく楽しい思い出として残っているんだろう。
ジムニーに颯爽と乗り込み、スタートした瞬間、あっ、エンストした!と思った。
しかし、最近の車の性能はすごい。エンストしない。なんだか土俵際での粘りがすごい。
そんなわけで家に帰ることにした。下道だと2時間弱だ。ほぼ国道を走る。
走り出しが緊張する。すご~くゆっくりスタートすれば何とかスムーズに走れるんだけど、そんなゆっくりスタートだと前の車はすでに遥か彼方へ行ってしまっている。
やばい、流れに乗らなければ、と思って焦ってスタートするとクラッチの繋がりがうまくいかずに、グワングワンって感じで車が大きく揺れて波打つ。
今まで、後続車なんてあまり気にならなかったのに、信号待ちで僕の後ろに停まったすべての車が気になる。
近くね?車間距離詰めすぎじゃね?と常に思う。
バックミラーから見える後続車の存在が僕にプレッシャーを与え、スタートするときは車が常に揺れて波打つ。
そんな車の揺れ動きを何度もするうちに後続車は車間距離を空けるようになる。
よし、わかったか?そういうことなんだよ、と思うけど、その後続車はそのうちに車線を変えるのでまた新しい後続車がやってくる。
それでまた、近くね?車間距離詰めすぎじゃね?と思う。
それがエンドレス。
後続車車間距離詰める、車がグワングワンする、後続車身の危険を感じて車間距離空ける、車がグワングワンする、後続車車線変えて新しい後続車がやってくる、車がグワングワンする。
しかも関東平野は平地のはずなのに、国道って陸橋がやたらあって、登り坂の途中で止まって新しい後続車にぴったりつけられたときには、車内で絶望の叫びをあげた。
3月初旬の肌寒い日だったが、一人汗だくだった。汗が止まらない。
そんな感じで家に帰ってきたときにはぐったりしてソファから動くことができなかった。
この疲労度はなんだ?ハセツネ完走したときだってこんなに疲れなかった。
ジムニーに乗って帰ってきたらそれに乗ってランチでも行こうぜ、と子どもに言ってあったのだがそんな気分ではなかった。
食欲なんてなかった。
結局、子どもとすぐ近くのスシローへ行ったけど3皿しか食べられなかった。
で、これからまた千葉へ戻ることを想像すると、すでにドキドキではなく動悸息切れになっていたので、免許取りたて初心者マークの子どもに一緒に付いて来てくれないか?と懇願した。
帰りは高速も使った。高速ならギアを変える必要もない。車グワングワンしない。
まだ高速で運転したことがない子どもは、やっぱ高速は緊張するなぁ、と助手席に座りながら言う。
そう?全然楽勝だよ、と僕は鼻歌交じりだ。
高速を降りてから、またグワングワンが始まる。また汗だくだ。
子どもが免許を取ってから子どもが運転したいというと僕は助手席に乗って、ウィンカー遅い、とか、流れに乗って、とか、もっと早く減速して、とか偉そうに指示をしていたのだが、今は、早めに2速に入れて、とか、無理に4速にしなくたっていいんだよ、とか免許取りたて初心者マークの子どもに指示されていた。
車グワングワンしながらレンタカー屋さんに置いてきた我が家の普通車のことを考える。
今日ほどあの車を愛おしいと思ったことはない。
ごめんな、千葉の見知らぬ街に一人ぼっちで置いてきてしまって。待ってろよ、今迎えに行くからな。早く一緒に帰ろうな。
そんなことを思いながらなんとか無事にレンタカー屋さんにたどり着いて、普通車に乗って帰った。
普通車で走り出した瞬間にウッヒョー!と声をあげ子どもを驚かせた。
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ジムニーマニュアル車を運転するために千葉へ行った。
6時間からレンタルできるということで6時間のレンタルにした。
そのレンタカー屋さんにあるマニュアル車のほとんどはスポーツカーで、ふつうはその車に乗って筑波山とか海のほうへ出かけるらしいのだが、30年ぶりにマニュアル車を、それも30年前だって1時間しか運転したことがないマニュアル車を運転してどこかへ出かけるなんて考えただけでドキドキするので、結局それに乗って家に帰ってくることにした。
若いころはドキドキしたってそれは恋かもしれないと思うけど、今ではドキドキもただの動悸なわけで更年期障害かと思うだけだ。
それでも年に1回くらいは新しい挑戦をするのもいいだろう。歳を取ったってそんな新しい試みも必要だ。
そういえば静岡から名古屋まで散歩したのも3月だったなぁ、あれやってるときはそうでもないのに、なんですごく楽しい思い出として残っているんだろう。
ジムニーに颯爽と乗り込み、スタートした瞬間、あっ、エンストした!と思った。
しかし、最近の車の性能はすごい。エンストしない。なんだか土俵際での粘りがすごい。
そんなわけで家に帰ることにした。下道だと2時間弱だ。ほぼ国道を走る。
走り出しが緊張する。すご~くゆっくりスタートすれば何とかスムーズに走れるんだけど、そんなゆっくりスタートだと前の車はすでに遥か彼方へ行ってしまっている。
やばい、流れに乗らなければ、と思って焦ってスタートするとクラッチの繋がりがうまくいかずに、グワングワンって感じで車が大きく揺れて波打つ。
今まで、後続車なんてあまり気にならなかったのに、信号待ちで僕の後ろに停まったすべての車が気になる。
近くね?車間距離詰めすぎじゃね?と常に思う。
バックミラーから見える後続車の存在が僕にプレッシャーを与え、スタートするときは車が常に揺れて波打つ。
そんな車の揺れ動きを何度もするうちに後続車は車間距離を空けるようになる。
よし、わかったか?そういうことなんだよ、と思うけど、その後続車はそのうちに車線を変えるのでまた新しい後続車がやってくる。
それでまた、近くね?車間距離詰めすぎじゃね?と思う。
それがエンドレス。
後続車車間距離詰める、車がグワングワンする、後続車身の危険を感じて車間距離空ける、車がグワングワンする、後続車車線変えて新しい後続車がやってくる、車がグワングワンする。
しかも関東平野は平地のはずなのに、国道って陸橋がやたらあって、登り坂の途中で止まって新しい後続車にぴったりつけられたときには、車内で絶望の叫びをあげた。
3月初旬の肌寒い日だったが、一人汗だくだった。汗が止まらない。
そんな感じで家に帰ってきたときにはぐったりしてソファから動くことができなかった。
この疲労度はなんだ?ハセツネ完走したときだってこんなに疲れなかった。
ジムニーに乗って帰ってきたらそれに乗ってランチでも行こうぜ、と子どもに言ってあったのだがそんな気分ではなかった。
食欲なんてなかった。
結局、子どもとすぐ近くのスシローへ行ったけど3皿しか食べられなかった。
で、これからまた千葉へ戻ることを想像すると、すでにドキドキではなく動悸息切れになっていたので、免許取りたて初心者マークの子どもに一緒に付いて来てくれないか?と懇願した。
帰りは高速も使った。高速ならギアを変える必要もない。車グワングワンしない。
まだ高速で運転したことがない子どもは、やっぱ高速は緊張するなぁ、と助手席に座りながら言う。
そう?全然楽勝だよ、と僕は鼻歌交じりだ。
高速を降りてから、またグワングワンが始まる。また汗だくだ。
子どもが免許を取ってから子どもが運転したいというと僕は助手席に乗って、ウィンカー遅い、とか、流れに乗って、とか、もっと早く減速して、とか偉そうに指示をしていたのだが、今は、早めに2速に入れて、とか、無理に4速にしなくたっていいんだよ、とか免許取りたて初心者マークの子どもに指示されていた。
車グワングワンしながらレンタカー屋さんに置いてきた我が家の普通車のことを考える。
今日ほどあの車を愛おしいと思ったことはない。
ごめんな、千葉の見知らぬ街に一人ぼっちで置いてきてしまって。待ってろよ、今迎えに行くからな。早く一緒に帰ろうな。
そんなことを思いながらなんとか無事にレンタカー屋さんにたどり着いて、普通車に乗って帰った。
普通車で走り出した瞬間にウッヒョー!と声をあげ子どもを驚かせた。
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sleepee at 07:30│Comments(0)