ネガティブ・クリープマグカップ・ブルース

2021年05月02日

白い追憶 その4

メタボやら悪玉コレステロールやら血圧やらそういったものの解消へ向けた保険指導のもと、痩せなければいけない僕は、指導のお姉さんに言われたとおり、その日からスナック菓子を買うことをやめた。

そして朝はカゴメのトマトジュースを、それもわざわざパッケージに善玉コレステロールを増やすと表記されているトマトジュースを飲み続けた。

そして夜は伊右衛門茶を、それもわざわざパッケージに悪玉コレステロールを減らすと表記されているお茶を飲み続けた。

わかっていたことだけど、それでもなかなか痩せることはなかった。

お姉さんは運動をしなくても痩せると言っていたけど、僕の基礎代謝力を侮ってはいけない。

僕の基礎代謝なんてものはないに等しい。

そんなちょうど梅雨時のころだった。

僕の家には死角のような庭があり、そこはいつでも雑草が生え放題だった。

雑草なんてむしってもむしっても生えてくるし、労働としてはつらいだけだし、とくになんの見返りもないので、率先して草むしりをやりたいとは思えなかった。

そんなわけでその場所はビオトープと名付け、とにかく冬になって雑草が枯れるのをひたすら待ち続けているだけだった。

しかし、そんな雑草でも生えっぱなしにしているといろんなことがわかるもので、その年によって、生える雑草の種類も、その生育っぷりも全く違っていた。

昨年の6月は、とにかくドクダミ一択で、またその生育っぷりも近年まれにみる豊作だった。

5月くらいはまだきれいな花も咲いて許せるのだが、6月も終わりになると草だけになり、このまま生育を続けると家の1階部分くらいは覆い隠してしまいそうな勢いだった。

もうすでに夜逃げしたあとの家の庭くらいの荒れっぷりにはなっていた。

そんなドクダミだらけの庭を窓越しに眺めながら、なんとなく思いついた。

これ、きれいに草むしりしようと思うから、これを1日でやりきろうと思うから、いやになってやりたくなくなるのかな。

かなりの重労働だしな。

むしろきれいとかどうでもよくて、草むしりを趣味にするというのはどうだろうか?

1時間だったら1時間と決めて、毎週草むしりをする。

毎週1時間ランニングするような感じで。

草むしりを義務にするからいやになるんだ。

趣味にしたらいいんじゃないか。少しは痩せるかもしれないし。

そんなわけでスナック菓子を買うのをやめ、トマトジュースと伊右衛門茶を毎日飲み、週末は1時間の草むしりを趣味とすることにした。

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sleepee at 22:17│Comments(0)

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